あの子の陽が あたる場所で

140では おさめきれない このきもち

番外編:いつかまた出会うための サヨナラを告げたくて

 

彼は最後の日まで、何事も無いかのように踊っていた。

 

これからも、たくさんの人に囲まれて、笑顔で客席に手を振って楽しそうに踊る、そう思っていた。

 


その日は音もなくやってきて、大谷怜爾くんは、突然姿を消した。

 

 

 

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2017年1月、横浜アリーナから始まったジャニーズWESTのツアーバックに確かに彼はいた。
曲に合わせて色んなところに移動しながら楽しそうに踊り、自分のファンの子を見つけては丁寧にファンサをする、キラキラ輝くアイドルそのものだった。


1月半ば、横浜アリーナ公演が終わり次の福井公演の日、そこにいたのは怜爾くんではなく戸田くんだった。

ちょうどその日は大学受験生たちのセンター試験の日で、「あー怜爾くんセンター試験受けてるのかな?あれ?けど秋に確か推薦で大学が決まってて、課題に追われてたんじゃ…併願で違う大学も受けようとしているのかな?すごいなー」なんて、呑気なことを考えてた。


1月末、福岡公演の日。
この日のわたしの席は怜爾の立ち位置ドンピシャで、横アリで位置を見た時はこのままでは落とされるかもしれないと思ったほど。周りの友達にも、「わたし怜爾くんに落とされる〜〜降りるかもしらんわ〜〜ww」と言いまくって入った福岡公演。

やっぱり怜爾くんは出てこなかった。目の前で楽しそうに笑顔で踊る戸田くんを直視出来ず、全然見えない大橋くんを必死で探して涙を堪えた。

それから先の公演にも、怜爾くんが出てくることはなくツアーが終わり、その先怜爾くんがわたしたちファンの前に姿を現わすことはなかった。

 

 

 


ジャニーズWESTのバックから突如消えたとしても、福井も福岡も宮城も名古屋も静岡も大阪も北海道もそして広島も探し続けた。

例え春松竹にいなくとも、例えブログやラジオの順番が回ってこなくとも、毎月出るドル誌に一切載らなくとも、今いる関西Jr.がほぼほぼ全員載っていると噂のmyojoの関西Jr.特集に載っていなくとも、ずっと出ていなかった溝口中村守屋小吹がいるJr.祭りに出なくとも、in大阪にいないと噂されていても。
だって、Jr.カレンダーにも、新聞の写真にも載ってたじゃん?happyどかーん!!とか謎の言葉だって言ってたじゃん?関ジュの子たちとプライベートで一緒に目撃されてるじゃん?そんなことを考えて考えて何も見えない気付かないフリをしていた。


NEWS担時代からの友達に聞いた、怜爾くんのお姉ちゃんがその子の友達の劇団にいると。表舞台に立ったりする一家ではないと思ってたから、大学生になるんだし、ちゃんと自分の進路と向き合いなさいとかって、親御さんに反対されたのかなとか思ってたけど、なんか少し安心したんだ、じゃあやっぱり、また帰ってくるんじゃないかって。


それから数日たった日、オタ友から連絡があった、遭遇したと、話したと。大学があるから辞めたんだと確かにいわれた、と。

 

 

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来週は戻ってくる、来月は戻ってくる、4月になったら、春が終われば、夏こそはって、ずっと彼とさよならをするキッカケを自分の中で見つけることができなかった。


ただただ信じていたかった。


けどこれじゃあ駄目だ、夏の、夏の舞台で決着をつけよう。これで駄目ならもう諦めようって。

 

私的初日、その後何度公演に入っても、どれだけ隅を探しても、怜爾くんを見つけることはできなかった。

 

 

 

 

 

ずっと決めていたのだろうか、突然決めたことだったのだろうか、1人で悩み決断したのだろうか、それとも誰かに相談できたのだろうか、公開されることのない今、わたしたちにはそれはわからないけれど、あの日、west福岡公演のあの日、あの場所にもし怜爾くんがいたら、春松竹で大橋くんじゃなく怜爾くんが出ていたら、もしかしたら落とされていたかもしれない。クリスマスイブのあの日のように、気が付いたら目で追っていたかもしれない。

 


辞めて欲しくないっていうのはこっちのエゴで、彼がこれから先、普通の人生を幸せに歩んでいくならこのタイミングが一番良かったのかもしれなくて。


春のあの日、彼へ書いたお手紙はきっと本人の手には届かず捨てられてしまっているだろう。また必ずお手紙書きますと書いたあの約束はもう実現されないし、嬉しい気持ちいっぱいのお手紙はもう書けないだろう。

そしてこれから先、踊るとシャツが出てしまう人を見ると彼を思い出すのだろう。お勉強ができてテストの点がいいのに遅刻魔な人を見ると彼を思い出すのだろう。

 

全部が全部怜爾くんで、全部が全部大好きでした。


「大好きな人がステージに立っていてくれている間は、お金と時間の許す限り、何度でも応援しに行く」大事なことを思い出させてくれてありがとう。これでわたしはきっとこれから先、後悔しません。

 

 

怜爾くんはたくさん努力をできる人だから、その努力をちゃんと結果に繋げられる人だから、違う道へ進んでもきっとやり遂げることができる。

そう信じているし、自分でも、周りの子たちも信じていると思う。

 

 

約4年間、たった一度の青春を関西Jr.に捧げてくれて、頑張ってくれて、たくさんのたくさんの幸せをありがとう。

残り少ない大切な大切な学生生活を大いに楽しんでください。

 

 

 

 

 

 

 

 

最後まで頭のいいあなたが好きでした。

 

 

 

 

 

 

 


いつか、ひょっこり帰ってきてくれてもいいんだよ。

 

 

ゆっくりのんびり気長に待っとくね。
なんか、れいじくんみたいだね( ˊᵕˋ* )